「────っ、」 わたしは振り向いて、彼にギュッと抱きついた。 ねえ、瀬戸内くん。 もっともっと、わたしのこと、好きになって。 わたししか、見えないくらいに、好きになってよ。 「もうとっくに好きなんだけど」 君は顔を赤くして、手の甲で、そっと口元を隠した。 なんか、もう、とにかく嬉しくて。 ギュッてくっついては離れてみて、けどまたくっついて思う。 やっぱり瀬戸内くんは、あたたかいね。