「ごめんね、やっと、すべてわかったよ」


「遅くなって、ごめん」



もう、全部、何もかも、思い出した。



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あの日。

キミが引っ越して行ってしまうあの日。


ラクダがあるあの公園で、わたしを呼び出していたね。



守ってもらってばっかりで、ごめんね。

僕がまわりにいる悪いやつをたおせるように、強くなって帰ってくるから。



今にも泣き出しそうな顔をしていた。



両親が離婚して、置いていかれる悲しみを知っているのに

友達、みんなを置いて、はるか遠くに行かなくてはいけない、もどかしさ。



今のわたしが考えても、その悲しみをたった6歳の少年に背負わせるには、むごすぎる。