「……っ」
そう、思っていた最中
目の前には、女の人の髪に触れ、頭を撫でるわたしの彼氏。
……な、んで?
わたしと一緒に帰るような
素振りをしといて何で?
わたしの彼氏のはずなのになんで?
『もう、しないから』って言ってたのになんで?
たくさんの疑問と不満が、わたしの頭をごちゃごちゃにかき乱す。
「……悠、もう無理だよっ」
わたしはやっとのことで口を開いた。
悠に浮気されて、いつも許してたけど
そんな簡単な気持ちで許してたわけじゃなかった。
こんなわたしでも傷ついて、傷ついて
たくさん悩んだうえで
それでもやっぱり悠のことが好きだし大切だから
もう一度信じてみようって思った。
でも、もう、ダメだよ。