自分はもう大人だと思っていたし、誰の手を借りなくても生きていけるとさえ感じていて


口うるさく注意される母親の言葉には耳を貸さずに、だいぶひねくれた少年時代を過ごしてきた。




「……」


だけど、そんな毎日に、変化が訪れたんだ。


勉強が遅れてしまわないように、と母親が勝手に家庭教師をつけたことによって


俺の人生は大きく変わることになる。




その家庭教師というのが───美菜、だったんだ。