時折、お父さんみたいでうっとうしく感じることもあったけど
────ギュッと、抱きしめられる。
見えてくるのは、いつだって、わたしは雅稀に守られていたという、事実。
「え、ままま、雅」
「あれ、泣き止んだ」
あまりにも突然の出来事で、涙なんか反射的に止まる。
顔を見上げれば、すぐそこに見慣れた彼の姿。
「……もう!からかわないで!離して」
きっと、わたしの反応を面白がっているだけなのだろう。
思いの外、照れたわたしを見て、肩を揺らして笑うのだろう。
────そう、思ってた。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…