時折、お父さんみたいでうっとうしく感じることもあったけど


────ギュッと、抱きしめられる。



見えてくるのは、いつだって、わたしは雅稀に守られていたという、事実。





「え、ままま、雅」

「あれ、泣き止んだ」



あまりにも突然の出来事で、涙なんか反射的に止まる。


顔を見上げれば、すぐそこに見慣れた彼の姿。




「……もう!からかわないで!離して」



きっと、わたしの反応を面白がっているだけなのだろう。

思いの外、照れたわたしを見て、肩を揺らして笑うのだろう。






────そう、思ってた。