────ごちゃごちゃした購買。

行き交う、人々。

響き渡る、声の数々。



だけど、



「……本当、いつまでたってもドジは治んねえのな」



キミの声だけは、鮮明で。

何一つ聞き逃したくない。




「……ごめんね?」

「本当、最悪だよ、ベタベタ」



2人で話す時間が、また訪れるなんて、嬉しくて。


嬉しくて嬉しくて、やっぱりわたしは泣きたくなるんだ。




「……本当にごめんなさい」

「別に、もういい」



なんの抑揚もない、声でさえ、わたしの心を揺らすのには十分で。


どうしよう、どうしよう。




やっぱりわたし、まだ、好きだ────