あのね、瀬戸内くん。
キミはいつも、わたしが落ち込んだ時、真っ先に駆けつけてきてくれて、いつもはげましてくれて、その時わたしが一番楽になる言葉をくれるよね。
悠に浮気されて泣いてた時も、拓ちゃんの面影を探して、呆然としていた時も
わたしの力になってくれたよね。
なのに、わたしは、何もできてない。
瀬戸内くんのために、何もできてない。
役立たずで、ごめんね。
わたしは何も知らないから、瀬戸内くんにかけるべき言葉も、わかりません。
キミが何に苦しんでいるのかも、どうすればそれを和らげられるのかも、なにもわかっていません。
ごめんね、わたし馬鹿だから。
寂しそうにするキミを、自分の腕で包み込む以外、慰める方法を知らないの。
ごめんね、やっぱり、わたしは馬鹿だから。
泣き出しそうなキミに、ありったけの想いを伝えることでしか、笑ってもらえる方法を知らないと、思ってた────