キミは、幻滅しただろうか。
こんなにも、腹黒い、心の汚れたわたしを。
「……ひどいでしょ、わたし。
拓ちゃんのこと大切で大好きとか言っておきながら、心の奥底では……そんなこと考えてたっ」
自分が得をすることはいつまでも覚えていて
悪いことは、綺麗サッパリ記憶を消そうとする、都合のいい脳みそ。
自分に嫌気がさした。
ーーだけど、そんな時でさえ、キミは優しいんだから、困る。
不意に。わたしの手を掴んで
「……見てればわかる。
お前は自分で思ってるほど器用じゃないから、拓真くんを心配してた気持ちに嘘はないって、わかるよ」
───いっしょに暮らしてんだから、なめんな、と笑った。