「久しぶり!お姉ちゃん!」
梨湖が帰ってきた。
「おかえり!」
「沙絵子さんも…ただいま…。」
「おかえり。」
沙絵子さんはそう言って仕事へと出かけてしまった。
「相変わらず冷たい。」
「ちがうよ、緊張してるんだって。あれでも優しい方だよ。」
私はそう言って梨湖にお茶を出した。
「そういえば、どうして急にたまり場来なくなっちゃったの?」
「えっ?…あぁ…ちょっと家が忙しくて…」
「じゃぁまた来るんだよね!?」
(行かないよ…)
「そう言えば一翔さん戻ってきたんだよ!でもね、女性も一緒だった。」
”ズキッ”
「…え…?」
(女性…?)
「どんな…?」
「んーとね、髪が長くて、手足がスラッとしてるの!匡さんが敬語使うくらいだから…お金持ちなんじゃない?」
(お金持ち…)
「その人酷いよね、一翔さんの彼女はお姉ちゃんなのにーっ」