今度は私は追いかけなかった。 いや、追いかけられなかった。 付き合う気がない。 そう思っていたのは嘘なんかじゃない。紛れもない事実だったから。 断るのが怖いから、 ただそれだけの私の勝手な都合で期待させて日向君の気持ちを弄んだ。 その事実は変わらないから。 私は遠ざかる日向君の背中を見て立ち尽くすことしか出来なかった。