そこまで考えたところで、僕は考えるのを止めた。

……“お嬢さまと執事”。

これが変わることは有り得ないから……




「そんなことより、今日の朝食はお嬢さまが好きなクロワッサンですよ?」


僕は話を逸らした。


「やったあ!」


満面の笑みで食堂に向かうお嬢さま。

……今日、クロワッサンにして良かった。


お嬢さまが部屋に居ない間に、僕は部屋の掃除をする。

ベットシーツの洗濯、部屋に置いてある小物のほこり取り、床の水拭きなど、多くの仕事をこなさなければならない。