昔は、僕とお嬢さまの間にある身分の差という壁があることに気がつかなかった。

でも今は……

「お嬢さまの幼なじみですが、今は甲斐財閥に仕える執事の1人です。」


壁を知ってしまった僕は、幼なじみでは居られないんだ。

僕は、お嬢さまに仕える執事として生きなければならない。


僕がそう告げると、お嬢さまは頬を膨らませた。



……本当に、お嬢さまは昔から変わらないな。

素直で純粋……。

そんなお嬢さまが大好きだった。


いや、僕は今でも………