「おはようございます、お嬢さま。」


挨拶を添えて。


「……敬語を使わなくても良いっていつも言ってるのに。」


むぅっと拗ねた顔をするお嬢さま。


「何を仰っているんですか………
僕は執事です。お嬢さまに敬語以外を使えるはずがありません。」


「執事の前に、司は私の幼なじみでしょう?」


確かに、僕は小さい頃からお嬢さまと一緒に居た。

甲斐(かい)財閥の1人娘として生まれたお嬢さまと、代々甲斐財閥に仕える執事一家の跡取りとして生まれた僕。