一ノ宮先輩を見れば、目が合った。
先輩は頷く。
「じゃ、俺先行くから……。カップルのおまけなんて嫌だしな!! どうせ俺は独り身だしなー!!」
突然現れたかっちゃんは、突然に去っていった。
あの人が一番、よく分からない。
ちなみに、クラスは一年間あのままで頑張ったよ。
かっちゃんの言っていたクラス変更は無し。
ていうか、一ノ宮先輩とかっちゃんはいつ仲が良くなったんだろう。
学年も違うのに。
一ノ宮先輩に手を引かれるまま、着いたのはやっぱりあの美術館。
去年初めてのデートで、私達はここに来た。
デートって言っても、あの時はまだ付き合ってなかったけど。