階段を降りていく。
ゲームのこともそうだけど、先程の震えるような空気のことで頭が一杯だった。
踊り場に差し掛かったとき、また名前を呼ばれた。
『怠惰…』
「……何?」
いるのはわかってたし、気配もあったから驚かなかった。
また何かしらの忠告を受けるのかと思い、紋白を見つめるのうにして振り返る。
…。
いつの間にか間合いを詰められていた。
寂しそうで悲しげな雰囲気を身に纏い、優しくこちらを見下ろしてくる紋白。
少し困った。
昨日のことがあってこいつの近くににいるのは躊躇われる。
今まで感じたことのない……、恥ずかしさを覚えるのだ。
憤怒たちには何も感じないのに、何でなんだろ?
羞恥を悟られないように紋白を見上げる。
何を考えているのか、少しだけ首をかしげている。
……二人でこのままなのも微妙なので、名前を呼ぼうと口を動かした瞬間、
…いきなり腕を引かれ、
抱き締められた。