一瞬にして元の笑顔に戻った鳥は待ってるよ、と言い残し庭の奥へと姿を消した。
それと入れ替わるように無数の青い鳥が目の前に群がり始めた。
羽が羽ばたく音や鳴き声が忙しなく聞こえる中、少しずつ鳥達が何かの形に変わっていく。
あの形は…。
もしかして、と思ったとき突然の突風が吹き荒れた。
フードを押さえて風が止むのを待つ。
風に鳥達が飛ばされていく。
青い羽を撒き散らしながら一匹も残らず果ててしまった。
そして、その場に佇んでいたのは…、
【青い鳥】―。
紺碧のドレスを身に纏った少女。
鮮やかな柘榴色のショートヘアーが微風に揺れている。
ドレスと同色同質のシルクハットは大きすぎて少女の顔半分を隠してしまっている。
前髪と帽子の影から覗く琅扞色の瞳が薄気味悪く光っていた。
あの出で立ち、ドレスの色からして…。