周りを見渡していると兎が手招きしているのが見えた。
誘われるままについていくと少しだけ開けた場所に出た。
さっきから聞こえていた鳥の声はここから聞こえているようだ。
奥へと飛んでいく鳥を見送ると人影が見える。
その人はゆっくりとした足取りでこちらに近付いて来て、
『初めましてー(o≧▽゜)o ようこそウチの庭へ! これから始まる極罪式ゲームに最適な庭園でしょー?』
『今回のゲームのマスター、【ドードー鳥】だよ♪ 特別に挨拶してくれてるんだから、ありがたく思うんだよ?』
兎が紹介するとドードー鳥は片目を閉じてポーズをとる。
アイドルのような容姿と声はとても可愛らしかったが、それに似合わない色気が身体中から溢れ出している。
…紋白が言っていた通り、色欲系の相手のようだ。
となると、幻術ってのも本当かな?
私の窺うような目を受けたドードー鳥はにっこりと微笑み、瞳に影を落とした。
…殺気。
私にだけ向けられた明らかな宣戦布告。
上等だと真っ正面から受け取った。