長身でいい具合に日焼けした肌。
いかにもスポーツできますって感じの雰囲気。
そして、何よりもその容姿に目を奪われた。
人懐こそうな目。
形のいい鼻。
薄い唇。
漆黒の髪。
少し着崩した制服から覗く、色っぽい首筋。
モデルみたい…。
そう思ってしまうほど綺麗な顔立ちをしていて、足も長くてスタイルのいい人だった。
あれ、でも……。
『どっかで見たことあるような…』
「えっ、まじで?」
ボソッと呟いた私の声が聞こえたのか、神崎が私の方を向いた。
『気のせいかな…』
何となくだけど、似てるような人を知ってる気がする。
「気のせいじゃね?芸能人の中でも見たことないし」
「うーん…」
そうは言われても、どこか気になる。
…何でだろ?
「静かにー!おまえら、自己紹介ちゃんと聞けよ」
庄ちゃんが言うと、それまで騒がしかったみんなの声がピタリと止んだ。
嘘みたいに静かになる教室。
「伊波琉希(イナミ ルキ)です。これからよろしくお願いします!」
爽やかな声に魅力的な笑顔。
女の子達の目は伊波に釘付け。
うっとりとした顔で、伊波の姿を見つめていた。