「伊波ー!入ってきなー」
庄ちゃんがドアに向かって叫ぶと、その声を待っていたかのように、黒い人影が教室に入ってきた。
『え……』
しんと静まり返る教室。
一同は身動き一つせず、固まったまま転校生の姿を凝視していた。
コツコツとリズムのいい足音を鳴らして教壇に上がり、転校生は庄ちゃんの隣に立つ。
「か、かっこいい……」
誰かがポツリと呟いた瞬間、二度目の歓声が。
「嘘でしょっ!?」
「超イケメンじゃん!!」
ざわつくクラスメート達の前で、転校生は困惑気味な笑みを浮かべている。
「まじかよ……」
隣の席の神崎も、驚いた表情でその転校生を見つめていた。