HRが終わって、一時間目までの休み時間。
伊波の周りには人が群がっていた。
クラスメート達は伊波に名前を覚えてもらおうと、自分の自己紹介をしてるみたい。
彼女はいないと言う彼に、女の子達は積極的に絡んでいる。
「うっひゃぁぁー!イケメン最高っ!!」
仁香は転校生がイケメンだったことでテンションMAX。
さっきから私の隣ではしゃぎまくっている。
『そんなに嬉しいんだったら、伊波のとこに行けばいいのに』
実際に話してみた方がいいと思う。
「いいの!見てるだけで充分っ!」
見てるだけ、ねぇ…。
「アイツとさっき話してきたけどいい奴だったよ。明るいし、めっちゃ話しやすかった」
私と仁香の会話が聞こえていたのか、神崎が近付いてきてそう言った。
『へぇー。イケメンって性格悪いイメージだけど』
ドラマでも漫画でも、そういう設定が多い。
それに、現実でも格好いい人というのは、自分に酔ってるというか、上から目線が目立ったり。
…って、思ってたんだけど。