「いいって」

「いーよ♪」

美形のユキは、通行人の注目の的だった。

そんなユキと並んで歩くのが少し気恥ずかしいイモ子は2、3歩後ろを歩いた。

目の前にはユキの背中がある。

(華奢そうだと思ってたけど、意外と肩幅あるかも……)

「………ユキ」

「ん?」

ユキが軽く振り返ったが、夕日がまぶしくてよく見えない。

「ごめんね」

「なにが?」

イモ子は正直に自分の心根を話すことにした。


「昨日……私、ユキの仕事のこと聞いてね、正直、ユキのこと正しくないって思った」

「…………うん」

「その考えは、今もそんなに変わってない」

「けど、この世には私には想像できないくらいのさみしさを抱えた人がいて、それを埋められるのがユキなら、そんなに良くないことじゃないのかな、なんて………うまく言えないけど」

結局、伝えたい事はごにゃごにゃだった。


「……そうだな。俺もこの仕事始めて思ったけど、いくら話を聞いてあげても、人の孤独や辛さって、本人にしかわかんないんだよね」