「まぁ、学校でると曜日感覚なくなるけど」

「…ユキは、働いてるの?」

「おう」

イモ子とユキはたまにおしゃべりはしていたが、ほとんどは天気の話とか、あたりさわりのない世間話でプライベートな話は皆無だった。

「何の仕事してるか、聞いていい?」

「出張サービスみたいなもんかな。独身でさみしい人とか、育児に疲れた人たちに呼び出されたら会いに行って、グチを聞いてあげる、みたいな。サラリーマンのおじさんとかもいるし」

「…そんな仕事あるんだ」

「うん」

ふと、俗な言葉が浮かんで…少しうつむいた。

「…………それって………デリヘル?」

「体は売らないよ。せがまれることもあるけど、絶対しない。愛のないセックスって嫌いだし」

「………………」

なんと返していいかわからなかった。

「…ひいた?」

「ううん……でも、何か、人の弱みにつけこんでるってゆうか………」

「…………………」

(やばい、酷いこと言った!)

「あ、でも、別に……悪いことでは、ないと…思うし」

うつむいたユキにイモ子は慌ててフォローした。