「じゃ、今度おれから聞いていい?……んと……好きな季節!せーの」

「「春」」




コンコン……


風呂上りのクモが、ユキの部屋をノックしていた。


「おい、風呂開いた」

タイヨウの家の風呂は順番制だ。

ちなみに、タイヨウ→クモ→ユキの順だ。

ニートについては、いつお風呂に入っているのか、よくわらない。

…………………。

返事が、ない。

「…入るぞ」

ユキの部屋には、誰もいなかった。

隣の部屋から、笑い声が聞こえる。

(あそこは確か、新入りの…)

『次は、好きな曜日ね……せーの』

『月曜日』

『土曜日』

『初めてズレたな。イモ子は何で月曜がいいの?』

『んー何かね、週の初めってワクワクしない?どんな曜日になるのかなって』

『そうか、ちょっとわかるかも。俺はただ単に休日で次の日も休みだから土曜が好きなんだけど』

『なるほどね(笑)』

「…………………」

二人の会話を聞いていたクモは、無言で自分の部屋へ戻った。