「まぁ、最初にタイヨウに雪みたいって言われたし」

ユキ…とゆう名詞を聞いて、イモ子はふと思い出した。

「……あ。そういえば、私もユキってゆうの」

「え?あんたはイモ子でしょ?」

「いや、あだ名じゃなくて、本名は上原由希なの」

「ああ、本名か………」

なんだかユキは興味なさそうだった。

そんなユキに、イモ子は前から思っていた疑問を投げた。

「……ここでは、自分の本名を言ってはいけないの?」

「いけなくはないと思うけど、タイヨウが嫌がるかな」

『だから、ここでは本名なんてどうでもいいんだって……親が勝手につけた名前に、何の意味があるの?』

確かに、タイヨウはそう言っていた。

「どうしてタイヨウはあだ名にこだわるんだろ……」

「さあ。でも俺も自分の名前には特に愛着はないから、別にいいや」

「でも、親がたくさん考えてつけてくれた名前なんだよ?」

「それは、イモ子の親が"良い親"だからだって」

「………………………」