外は晴天で、太陽の光に照らされて、学校のまだ新しい校舎がキラキラと光っている。
ジメジメした夏の暑さの中、佐優子は一人、読書をしていた。
外の眩しい光とは裏腹に、暗い趣きで読書している。
制服が汗で僅かに濡れて、外の光に照らされ、キラキラと光っている。
…いや、違う。汗でこんなに濡れるはずがない。
佐優子は、クラスメイトに水をかけられたのだ。
それは、登校してきた頃だった。
佐優子が校舎内に入り歩いていると、目の前からバケツをもったクラスメイトが歩いてきた。
佐優子は道をあけようとよけたが、クラスメイトは転んだ。
その転んだ拍子に水がかかった。
そのときクラスメイトは「ごめん」と言ってたが、転んだときにそいつの口元は確かに笑っていた。
佐優子はびしょ濡れで、ジャージに着替えようとしたが、ジャージは隠され見つからず、仕方なく制服をふくだけにした。