「先程のウサギはワニウサギ、と言う名前ですね。
見た目はウサギそのもの。ですが顎の力はワニと同じか少し弱い位。
もし君が直ぐに手を引っ込めて居なければ片手は使えなくなっていたでしょうね。」
淡々と述べるルイさんに鳥肌が立った。
あんなに可愛いのにとても野蛮な動物だ…。
悔しそうに唇を噛み締めるミルちゃんだったけどユエさんが直ぐに手当をする。
「ムーン」
短くユエさんがミルちゃんの噛まれた手に自分の手をかざすと
淡いオレンジ色のような光が包む。
わ、なんか暖かい…。
それは一瞬にしてミルちゃんの手を元のような、噛まれる前の手に戻していた。
「す、すごい…」

