瞳の色によって異なる
魔法を操れる人々の中に
一際目立つ【神の子】が存在する。
ルビー
サファイア
エメラルド
攻撃、防御、治癒
【神の子】と対になる存在ーー
それは【悪魔の子】
【神の子】と【悪魔の子】は必ず
同じ運命を辿る事になる。
それは『死』のみ
約100万年に一度の奇跡が
巡り逢い波乱を巻き起こすーー
それは偶然か?
それとも…必然か?
私の名前はユイ。
ごくごく普通の女子高生をしている。
友達にも困ってなければ家族に不満を持ってるわけでもない。
ただただ学校では変に目立たないようにしてるだけ。
規則を破ることなく漆黒の腰まである黒い髪に膝少し下の長さのスカート。
あくまで地味な方向へ走ってる。
それに私達のクラスも私の家族も
みんな仲良しだし喧嘩も あまりしない。
だから私も友達とは喧嘩はしない。
それに、今日はしたくないもん。
だって…
一年に一度の私の生まれた日。
いわゆる誕生日なのだから。
「ゆーいっ!!おはよ。それと誕生日おめでとうっ!!」
「おはよう、カナちゃん。ありがとう」
私は小さく微笑む。
彼女はカナちゃん。
私の大親友だ。
幼稚園から高校までずっと一緒だった幼馴染のようなもの。
さすがにクラスは何度も離れた頃もあったけど今、この高校では少なからず三年間同じクラスだ。
「はい、これ。プレゼント!!」
そう言ってオシャレな袋を私に差し出すカナちゃんに嬉しくなって私も、ありがとうとだけ言って受け取った。
見るからに高価そうで申し訳ない気持になる…。
「ムリしなくていいのに…」
「いいのいいの!!大切な日なんだから、これぐらいは私にもさせてよ、ね?」
ああ…なんてイイ子なんだろう…本当に、涙が出るよ私。
カナちゃんと友達でよかった。
それだけは心から言える。
でも…
「帰りは私一人で帰るね?
カナちゃんはシンくんと帰りな?」
シンくん。
それはカナちゃんの彼氏さん。
確か中学3年から付き合ってるとか。
そりゃあ初めて聞いたときは驚いたけど仕方のないこと。
女の子だもん。
恋の一つや二つするよね…私は全く興味無いけど。
「えっ…いいの?」
そう言うカナちゃんは凄く女の子らしい表情をしていた。
頬を紅く染めて少し俯いて、同じ女の私でもドキッとしてしまうほど。
「いいよ。私は大丈夫だから、ね!!」
「ありがとユイ…」
今にも泣き出しそうなカナちゃんを宥めながら私達はいつもの様に学校へ行く。
そう、あくまで いつも通り。
何も変わらない、いつもと同じ。
私が学校へ行くとみんな「おめでとう!!」と言ってくれた。
それがまた嬉しくて、私もつい笑顔を浮かべた。
色んな子から色んなプレゼントを貰って憂鬱な授業も頑張って、放課後になる。
朝約束した通りカナちゃんはシンくんと帰宅していた。
なんだか、ホッとした気分になったんだ。
もし、帰ってなかったらどうしようとか考えてた自分が馬鹿みたい。
「さて、私も帰るか…」
赤焼け色に染まる空を見つめてポツリと小さく呟いた私の声は儚く消えた。
一人でのんびりと歩く私は何か不信感を覚えた。
いつも通る道を通り過ぎて、とある神社の前で止まる。
「こんな神社あったっけ…?」
この町に、こんな古い神社はないはず。
ドコにでもある普通の神社なのに、この時私は確かに感じた。
ーー早く帰らなきゃ!!
そう感じた。
踵を返して早歩きでその場を去ろうとした瞬間、
ーービュウウウウ!!
とてつもない強風が私を襲った。
落ちていた枯れ葉達は宙を舞い、木々達は唸るように揺れ。
その中でも圧倒的な存在感を放つのは、神社自身であった。