「小波ちゃんの声だぁ~…」


安心して声のする方へ、


人影がかすかに見えるほうへ、


かけて行く…


ギュッと抱きついた。


怖いのには変わりないけれど…


少しでも安心できるとこへ行きたかった。


「衣麻…」


心配そうに笑いかけてくれた。


小波ちゃんは頭を撫でながら、


「あっち」って、


首を向ける小波ちゃん。


その方向へ目をやると…


俯く龍平がいた。


自然に、勝手に動いた体は止まらなかった。


体は小波ちゃんの元を離れ、


気ずけば龍平の頬に手をあてていた。


「ありがと?」


色々な意味をこめての、


感謝の言葉…。


龍平の様子が違って、心配だった。


小波ちゃんが、


「衣麻の彼氏はすごいな?衣麻の場所すぐ分かったぞ?」


て、言ってくれて…