強く大きい声で語りかけてくる。


は?


こいつまぢ何?


俺は一瞬立ち止まり、首だけ振り返った。


「どうして?ねぇ?」


どうして、どうして…
ひつけーな。


可愛くもねぇくせにぶりっ子気味がウザかった。


俺は無視して歩き出した。


「だめだよ!」


両手で腕を掴まれた…、気持ち悪い。


ガバッとその手を振りほどき無視する。


歩こうとする度に必死で掴まれた。


「何なんだよッ?!!!!」


イライラは頂点に行き、俺はさすがに切れた。


「あたし、衣麻ちゃん嫌いなの…」


はッ?!!


急に何だ?コイツ…馬鹿じゃねぇか?


意味不明だった、衣麻が嫌い?


そんな事俺に言われたって関係ない。


衣麻は人を嫌な思いにさせるような事はしねぇ。


だから、そんなとこにも惚れてる。