*龍平*


ベランダから見えた、衣麻のゆっくり進む背中…。


「たく、衣麻も一人か…」


似てんなぁ、何て思う俺。


またニヤけてしまう…、ヤベぇよな?


さすがにニヤける癖直さねぇとなぁ。


頭を掻きながらカバンを持ち下駄箱に走る。


下駄箱近くの廊下で呼び止められた。


「ねっ、ねぇ?」


「あ?」


イラッとしながら振り返る。


「ちょっと来て?」


何なのこいつ?


急に何だよ…、


ウザいんだけど…、誰だよ。


「そんな暇ないんだわ」


下駄箱の方に体を向きなおす。


「ど、どうして??」