なんとか急いで図書室に到着。
怒られるかな…と思いながら図書室のドアを開けてみるけど…
そこには誰もいなかった。

うそ?委員会は?
今日だよね??

「あ、やっと来た」

静まり返った部屋に一人の声がした。
声の方向へ顔を向ける。

「雨宮夏希?」

名前を呼ばれた。
その人物は、すごく整った顔をしていて、誰もが見とれてしまうぐらいの……
正直、胸がドキってした。

「え?誰?」

私はその謎の人物に聞く。

「あー俺はね、後期図書委員の立花直弥(たちばな なおや)三年生。」

三年…先輩か。

「ていうか、委員会初日に遅れてくるなんてすごいな」

「す、すみません」

「はははっうそうそ!」

う、うわ…
笑った顔…すごくきれい…

「で、やっぱ図書委員って人集まらないよな。ほかの皆はサボりか」

「え、みんなきてないんですか?」

「そうそう、担当の先生も用事でこれないらしいし。」

え、うそ!?
じゃあ私もさぼればよかったなぁ…なんて。

「ということで毎日当番だな。」

「…え?」

ま、まいにち…!?!?

「え!毎日ですか!?」

「だってしかたないし、当番は二人ずつって決まってるし、ほかの皆こないからさ。
あ、俺は真面目だから毎日来るよ。」

「え…じゃあ私の毎日の休み時間は…」

「図書室で決まりだな。」

う、うそ…!?
この先輩と二人で後期乗り越えろっていうの…!?
いくらなんでも無理だよ!!

「じゃあ、そーゆーことだからよろしく」

と、その先輩は図書室を去って行った。

「そんな…」

しゃべったこともない先輩と、これから毎日休み時間をすごせって…?

はぁ…最悪だ。
あの時寝ていなかったらこんなことには…

まあ今日はかえるか…奏も待ってると思うし。
と、私は図書室をあとにした。


今はまだ知らなかった。
これが、私のキセキな出会いだったなんて。