彼の名前は私が初めて彼を見た時に感じた何かわからないけれど、彼にピッタリな彼そのものの名前だった。

彼の名前は綾本優。

名前の優を家に帰って辞書で調べた。

別にこの間、彼を見た日に買ってもらった新しいスマートフォンで検索をするのも良かったけれど。
それは少しだけ恥ずかしかった。

文字を打つのも慣れないまま、優という文字の意味を検索するのは恥ずかしい気持ちだったから。