土方と沖田は顔を見合わせて頷き合い、芹沢を挟み込むようにして立った




「ならば、遠慮なく!!」




──カキンッ




土方が素早く斬り込む




その姿に迷いはない




芹沢はそれを押し返し、次に襲いかかってきた沖田の剣を交わした




「ほぅ……なかなかやるようになったな」




「毎日毎日鍛えてますからねっ!!」




二人相手では芹沢が不利なはずだが、それでも一歩も引けを取らない




二人というのも、壬生浪士組でもかなり腕の立つ二人なのだが……




──カンッ



──ダンッ




華蓮とお梅は体を寄せ合い、固唾を飲んで見つめていた




「土方よ………」




芹沢が戦いの最中、急に消え入るかのような声で言った




「っなんだ!?」




激しくぶつかり合う刀の音




その合間に話す芹沢の言葉に華蓮も耳を傾けた








「強くあれ」







──ザシュッ





言葉と共に芹沢が動きを止める




そして土方が芹沢に向かって右上から斜めに刀を下ろした




「てめぇ、今………」




力を抜いたことが土方もわかったのだろう




「みなまで、言うな
これで……………いい

上出来、だった……………



壬生浪士組を頼んだ、ぞ………」




──バタリ




芹沢はそのまま倒れ、動かなくなった





「いやぁぁぁぁ、芹沢はんっ!!」




お梅が華蓮の腕を振りほどき、芹沢に近寄る