駆けつけた斎藤をはじめ、土方や沖田も呆然として立ち尽くしていた
「そんなことありませんよ
大和屋事件の時、芹沢さん自身のためにも、と言ったはずです
私は、本当は………仲間同士の殺し合いなんてして欲しくなかった………」
「華蓮ちゃん………」
お梅は切なそうに華蓮を見つめていた
「それに、この間芹沢さんと話して分かったんです
芹沢さんが不器用でこういうやり方になってしまったけど、壬生浪士組を大切に想っていたってことが」
芹沢は俯いていて表情は読み取れなかった
ただ、こそっと呟いた、小娘が……、という言葉を聞いて、芹沢を笑わせたような気がしていた
「お梅、離れろ」
芹沢はお梅の背中を押し、華蓮に預ける
「いやっ、芹沢はんっ!!!」
華蓮はお梅の手を取り、強く握った
「すまんな、最期まで見届けてくれ
そして……儂が死んだら、ここを去れ」
「いやどす、芹沢はんっ!!
華蓮ちゃん、手ぇ離してや!!!」
お梅は華蓮に掴まれてない方の腕で芹沢に手を伸ばす
「駄目だよ、お梅さん!
ここで暴れたら、お梅さんまでっ……
これが、芹沢さんの生き様なんだよ!!
だったら見届けるしかないじゃないっ」
お梅はもちろん、華蓮も涙を流していた
こんなに残酷で、悲しくて、やり切れない
華蓮はお梅の体を支えることしかできなかった
「さあ、来いっ!!土方、沖田
儂も、己の犯したことにケジメをつける」