それにしても、普段土方をあんなにからかっている沖田がそんなことを言うのは少し意外だった
考えて、クスリと笑ってしまう
「沖田さんって、なんだかんだ本当に土方さんが好きなんですね」
横を向くと、沖田は顔を赤くしていた
「ち、違いますよっ!
ほら、土方さんは近藤さんにとって必要な人ですしね
いなくなられては困るんです」
早口になって慌てる沖田は面白かった
「そうですか」
華蓮は笑いが止まらない
「笑わないでくださいよ……
それに土方さんを好きなのは蓮さんのほうでしょう?」
今度は華蓮が赤くなる
「なっ、もう何を言い出すんですか、沖田さん!」
「お返しですよ、お、か、え、し」
沖田は黒い笑顔になっていた
そのまま二人はたわいもない話を小一時間していた
──土方さん、あなたはこんなにも想われているんですよ
沖田の気持ちを改めて知った、嵐の前の夜であった