文久三年九月十三日





芹沢の右腕であった新見が切腹した





表向きの理由は勝手に金の貸し借りをしたこと




これは隊の局中法度に背くことだ




しかし、これは土方たちによる策略が半分くらいある




華蓮はそれを知っていた





土方や他の幹部たちは話したがらなかったが、顔を見ればそんなことくらいわかった





そして───九月十七日





古株の幹部たちの会議が密かに行われた




「芹沢さんを暗殺する」




土方の声が冷たく、鋭く響く




みんなはただ、頷いていた









「今、本当に辛いのは近藤さんと……土方さんですよね」




華蓮は沖田と共にいつもの縁側に座っていた




「そう………ですね」





近藤はもともと芹沢との仲を深めようとしていた




芹沢を討ち、一人でこの壬生浪士組をまとめようとはこれっぽっちも思っていないのだ




土方も、普段は芹沢といがみ合っているが、芹沢の頭のよさには一目置いているのだろう




「芹沢さんも芹沢さんですよ………
どうしてわざわざ恨まれるようなことをするのか…………」