あたしは生徒たちが必死で逃げ場を探す様子を上から眺めていた。


ドアもダメ。


窓もダメ。


生徒たちの顔色はどんどん青ざめていく。


天井がパラパラとホコリを巻き上げながら、少しずつ崩壊していく。


数ミリの裂から始まり、あらゆる場所が欠けては落ちて欠けては落ちて。


それはまるで部屋の中にいる者たちを少しずつ死へといざなっているようにも見える。


天井を見上げ亀裂を指さす者。


携帯電話を開けて電波が通じないと叫ぶ者。


ドアや壁を叩き、ホテルの従業員を呼ぼうとしている者。


それは様々だった。


あたしはその様子を笑いながら見下ろしている。


人間っておもしろいな。


壁が落ちてくる閉鎖空間にいると、こんなに歪んだ顔をするんだ。