そして……。


夜8時。


同窓会が始まった。


高校生になったクラスメイトたちはみんな少し大人びてきていて、だけど当時の面影も十分に残している。


あたしも生きていたらこの輪の中にいただろう。


これほどの憎しみなんて持たず、『昔あんなことがあったねぇ』なんて、思い出話として花を咲かせていたかもしれない。


だけど、あたしは死んでしまった。


無残に殺され、赤ちゃんまで奪われてしまった。


そんなあたしに許すという選択肢は、もうどこにも残されてはいなかったのだ。


会場はホテル内で一番大きな会場だった。


広さばかりあって、気取った装飾品のたぐいは置かれていない。


昔はもっと華やかな部屋だったのだかもしれないけれど、今は何も置かれていない倉庫と呼ぶにふさわしい場所。