睦人君はそう言いたのしそうに笑う。


あたしの声が届いている……!


そう確信した。


睦人君にはあたしの声が聞こえているのだ。


『何な名前』というのは一言余計だけれど、あたしは喜びで走り回りたい衝動にかられた。


(睦人君にはあたしの声が聞こえているのね!?)


「だから、さっきからそう言っているでしょう?」


(あぁ、そうね。ごめんね、すごく嬉しくて)


「そうだろうね。死んだら普通は誰とも会話できなくなるから、みんな僕の存在を喜んでくれるよ」


自信満々にそう答える睦人君。


なるほど、彼には霊と交信できる力があるらしい。