そう考えると一気に体温が上昇していく。


ドクドクと心臓は高鳴り、緊張でキュッと胃が縮こまった。


もちろん、実際にそんなことはあり得ない。


が、気持ちを表現するのであればそういう状態だ。


(睦人君、あたしの声が聞こえているの?)


あたしは試しに睦人君へ話しかけてみた。


「うん。聞こえているよ」


睦人君は聞こえて当然だというように返事をする。


でも、これだけじゃ本当に聞こえているかわからない。


睦人君の空想のお友達との会話と、リンクしただけかもしれない。


だからあたしは、睦人君には知らない事を言ってみることにした。


(睦人君、あたしの名前は掘美彩っていうの。復唱できる?)


そう言うと、睦人君はいとも簡単にあたしの名前を復唱した。


「ほりみあ。変な名前」