「さぁて、まどかと遊んだことだし、オレも部活行こうっと」

「私と遊んだんじゃなくて、私で遊んだんでしょ」

「そうとも言うかな」

「聖司先輩もう行ったよ」

透馬もバスケ部だ。

「げっ、マジ!?」

透馬は慌てて美術室を出て行く。

「じゃあな、まどか」

「しっかり練習しなさいよね」

私の言葉に振り返らず、右手を上げて走って行った。

まったく何しに美術室に来てるんだか・・・・。

時間ないんだから、ここに寄ってないで体育館に行けばいいのに。

一人になって静かになった空間で、まどかはゆっくりとスケッチブックをひろげた。