お弁当を食べ終えて、二人は立ち上がった。

「じゃあ、部活行ってくるな」

「うん、がんばってね。私も行ってくるね」

「おー。じゃあ、終わったら校門で」

「うん」

まどかは美術室に向かう。

今日は美術部の活動はないけど、いつでも描きたいときに使えるようにと
顧問の先生が美術室の鍵をあけてくれている。

ふと立ち止まり、先輩の背中を見送ろうと振り向いた。

あ・・・・。

先輩がまどかの知らない女の子と話していた。

誰だろう?
三年生かな。

すっごく気になる!

まどかは二人の様子をじっと見た。

そんなまどかに先輩は気づかず、楽しそうに笑いながら行ってしまった。

ただ、それだけのこと。

別に何もないよね。

心に浮かんだ不安を振り落とすように、まどかは頭をふるふると振って
美術室まで思い切り走った。