長くてキレイな指だな・・・

先輩と二人だけの教室に、5月の気持ちいい風が吹き抜けていく。
その風が先輩の髪を揺らす。

髪細いんだなぁ。

「・・・・で、答えは?」

まどかは風に揺れる先輩の髪をまだ見てる。

「まどか!ちゃんと聞いてる?」

「ん?」

えっと~

名前を呼ばれて、視線を先輩の顔にうつす。
先輩のあきれ顔のドアップにどきっとする。

「聞いてる~」

まっすぐな先輩の視線をかわしながら、そう答える。
そんな私の頭を、先輩は優しくポンポンとたたいた。

「中間テスト来週なのに、こんなんで大丈夫なの?」

「先輩が教えてくれるから大丈夫だよ」

「教えても、聞いてくれなかったら意味ないでしょ」

先輩はそう言いながら、机の上に広がってる教科書を閉じる。