「ごめんな、びっくりさせて」 私は首を横にふった。 「人が多くて、喋るのが少し怖かった」 私が声が出せなかった理由を説明したら 「少しずつ慣れていけよな」 って優しく言ってくれた。 次、お見舞いに来た時は謝ろう…。 それまでに、九条君以外の人とも喋る練習でもしようかな…。 前までの私なら、そんなこと思わなかったのにな……。 九条君と会ってから、九条君のことをいろいろ考えたり 悩んだりする事が多くなった気がする。