私は倉庫を目指して歩いた。

木々が生い茂るところを通り抜けると、小さい門が見えた。

この門は白龍の裏口。

幹部しか使わないけど。

私はその門を通って、倉庫の2階に行くための、外にある階段へと歩き始めた。

幹部室は2階にあるから、きっとバルコニーにでもいるはずだ。

菊哉は寝る前に30分位外に出て、月を眺めていた。

カツカツカツ

ほら。

やっぱり空を見上げている。




私はフードを外し、菊哉の方に歩いた。

別れを言うために。












琴「いつも月を見てるよね。」

私は菊哉に近づきながらそう言った。

菊「え…?」

菊哉は目を見開いて、ゆっくり私の方を見た。

菊「…こ…と…は…。

なん…「しー…。」…。」

私は人差し指を立てた。