そんな日の帰り道だった。



もう、魚将に寄る元気なんて無い。



美味しいチーフのご飯も無い。



そんな気持ちを後押しするように降り出した雨。



それを避けるように近くのシャッターの下りた店舗の前で、膝を抱えて座り込んだ。



「辛いよ……」



バシャバシャと跳ねる水音の中、庇いきれない雨が全身を濡らす中



声が聞こえたような気がした。



たった一週間なのに、懐かしく感じる声は……。