うん、それしかないって自覚がある。これが6年前の話なら、その頃の私にはいつものごとくハマりにハマっていた彼氏が居た。


「あんなに疲れた顔してても彼氏の前じゃ違うもんだなぁなんて思ったな。すみれさんとその人がマンションから出てくる所でバッタリ出くわした時にね、その時の顔を見てあぁ、なるほどって。きっと大切にされてるんだろうなって思って。…でも…」


…そう、でも。でもに繋がるその、理由。


「すみれさん、別れちゃったんだよね」


別れたーーというか、振られた。

大学時代から付き合っていた同い年の彼氏が居た。向こうとは違う会社に入社して、それ以降向こうはだんだん気持ちが薄れていったみたいなんだけど、私はいつものごとく変わらず尽くして尽くしてハマってハマって彼のそんな変化を知る事も無く、その結果ある日、「正直重い。ていうかウザい」なんてお言葉と共にばっさり切り捨てられたのだ。

それが今から5年前。ここまでばっさり言われると自分の行いを振り返る気持ちにもなる訳で、今までの付き合ってきた決して多くはない歴代彼氏達にも結局は振られてきたなぁなんて事に改めて気づかされたりする訳で、ハッキリ言われなかっただけで確かに理由はいつもそんな感じだったような、なんて事が発覚したりしてしまって…