「覚えてるか?俺の事」


五十嵐さんは私をじっと見て目を一度もそらそうとしない。


吸い込まれそうな真っ黒な瞳。



「覚えていません」


そういえば切なそうに私を見る。
そんな顔しないでよ…



なんだかわからないけれど申し訳ない気持ちにかられる。


「そうか…。なら、幼馴染といえば思い出すか?」




。。。。嘘でしょ



「ひーくん?」
小い頃に呼んでいたあだ名で呼べば、


ひーくんは冷たい顔を一気に暖かくする。

ひーくんなんだ。
あの大好きな、あの大好きだったひーくんなんだ。