それも先生が読んだ名前って私じゃないですか…。


雑用は嫌よ?


「なんですか?」

そっと席から立って新任の青木先生の元へと歩く。


「あんな、東雲に会いてえってゆー人がいんだ。心当たりあるか?」



私に会いたい人?
心当たりなんて全くない。


いいえ、と首を横に振ると



「そーか…。でも、一応お偉いさんだから会ってくれ!」


お偉いさんねぇ…。
うちの父はフツーのサラリーマンだからお偉いさんと関わったこと無いんですが…



「わかりました」

「サンキュー!」


先生は私の背中をトン、と叩くと大声で国語自習!と言い私を連れて廊下へと出た。



先生のあとを追いながら歩けば着いたところはまさかの校長室。



そんなお偉いさんなの?
周りにそんな人いないし関わったこともない。



私、なんかやらかした?
いや、してないわ。



じゃあ何!?


ガラッとドアを開けた先生に続いて校長室へと足を踏み入れる。


「失礼します」