『タクーお願い。ね?』


『仕方ないなぁ』



目の前の信じられない光景に
私は声を出す事も出来なかった


やっと脚が動いた


タクの元へ歩き出そうとしたその瞬間



“チュッ…”



『ん…ッふ…』

『チュッ…ん…』


タクは女にキスをした


もう何が何だか解らなかった

タクが私以外の女の人に
キスをした?


あり得ない そんなの


あり得ない…。



「なんで…どうして…」


呆然とする私
思わずその場に座り込んだ


すると私の背後から
誰かがスタスタと歩いて行った


…翔琉だ



「翔琉、何するつもり…ッ」


私の静止も聞かず
翔琉はタクの元まで行くと

“ガッ”


タクの事を殴った